絵本の会 ひまわり 第117回 2023.3.9
- 里の春、山の春 新見南吉/かみやしん
- でんでんむしのかなしみ 新見南吉/かみやしん
- はじめのいっぽ 新沢としひこ/あべ弘士
- ふくろうのダルトリー 乾栄里子/西村敏雄
- おおかみとキャベツばたけ ひだきょうこ
- なまえのないねこ 竹下文子/町田尚子
- あつかったら ぬげばいい ヨシタケシンスケ
初夏に良い匂いの花を咲かせるニオイバンマツリの鉢植えが、冬の霜にやられてすっかり枯れてしまいました。水やりをさぼり気味だったのもいけないのかもしれません。残念に思いながら、すぐに鉢を処分する気にもなれず、一縷の望みに縋って水やりをしていた先日のこと、新芽が芽吹いているのを発見しました。無事つぼみがつくかどうかはまだわかりませんが、とりあえず生きてくれていて良かったと胸をなでおろした次第です。春先はこんなふうに、心配事に光が差すことがときどきあります。木の芽どきというのは気温の変化が激しくて、心身に不調をきたすことも多いだけに、些細なことでも格別に嬉しく感じるのかもしれません。
植物というものは毎年同じように花を咲かせるようでいて、実は去年と同じ花はひとつとしてないわけで、それを思うと彼らは毎回新しいいのちを生き直しているのだと捉えることもできるでしょう。去年よりも、よりよくなろう、よりよく生きようとでも言うように。
そういう姿に背中を押される気がするから、人は花を愛でるのかもしれないなぁと感じ入った春でした。