14ひきのもちつき
作・いわむらかずお (童心社)
お餅つきというものを見かけることがなくなって久しい気がします。以前はとんど祭りの時などに盛んに行われていましたけれど、コロナ以降は祭りの中止が続きましたものね。
賑やかで楽しい行事ですが、準備は色々と大変です。前の晩からお米をふやかしておかないといけないし、倉庫の奥から重たい臼を運び出すのも一苦労。
絵本では、そんなお餅つきの大事な準備が、順を追ってひとつひとつ丁寧に描かれていきます。
大活躍するのはもちろんお父さんやおじいちゃん、おばあちゃんやお母さんなど大人の人達なのだけど、微笑ましいのは、どの子にもどんな小さな子にもちゃんと役目が与えられていて、皆が皆の役に立とうと一生懸命に働くところ。それぞれがそれぞれの力に応じて出来ることをする。力を合わせるって、そういうことを言うんだよなぁと思います。そうやって出来上がったお餅を皆でいただくときの嬉しさおいしさときたら!
お正月を前にして何かと気忙しいこの時期。一段落ついたら熱いお茶でもすすりつつ、14ひきさんの世界を覗いてみてはいかがでしょう。我々人間の世界よりももっとずっと穏やかで居心地のいい世界が迎えてくれると思いますよ。