クリスマスのちいさなおくりもの
文・アリスン・アトリー 絵・山内ふじ江 (福音館書店)
お母さんが病気のため、クリスマスの用意が何も出来ずにいる家族。そこでその家に住む猫とねずみたちが、協力してクリスマスの支度を始めます。
用意するのは手作りのミンスパイ、アーモンドののったケーキ、キッシングバンチ(ヤドリギの飾り物)やヒイラギの小枝など。
イギリスの古い伝統的なクリスマスの祝い方は、我々にはほとんど馴染みのないものばかり。にもかかわらず、なぜだか懐かしい気持ちになるのは、手間をかけた手作りの支度のあれこれが、国や風習の違いを超えて古き良き時代を想起させるからでしょうか。優しい筆使いの絵も、物語に温かみを添えています。
さて、タイトルにある“ちいさなおくりもの”とは一体何だったのでしょう?
サンタクロースが猫やねずみたちに配ってくれたおくりものも、もちろん素敵だけど…
もしかしたらサンタクロースの方だって、おくりものを受け取っているのかもしれません。おもてなし、という素敵なおくりものを。
クリスマスって、そういう日ですよね。