ファーディのクリスマス
文・ジュリア・ローリンソン 絵・ティファニー・ビーク (理論社)
今日はクリスマス・イブ。
先日引っ越ししたウサギさんの新しい家に、サンタさんは迷わず行けるかしら…?
きつねのファーディは心配でたまりません。
もしもウサギさんのところにだけサンタさんが来なかったら…そう考えると、なんだかさみしい気持ちになってしまうのです。
この、さみしい気持ちになってしまうというところにキュンとしますよね。
友達にも同じ喜びを味わってほしい、サンタさんが来てくれるという喜びを。
そんな純粋な思いが、この一文に込められている気がして。
さて、ファーディはサンタさんのために、ウサギさんの引っ越し先まで案内する道しるべを作ろうと思い立ちます。森の仲間たちも次々と手伝いにやってきて…。
途中、思わぬアクシデントに見舞われたりもするけれど、その都度、臨機応変に次の一手を考えるファーディ。
それでももし、サンタさんが来ていなかったら?
翌日の朝、ちゃんとそこまで想像するファーディと森の仲間たちの思いやる力に、読みながら、なんだか頭が下がる思いがするのでした。
パステル調の温かみのある雪景色に、心が洗われる一冊です。