ふたりはいつも
作・アーノルド・ローベル (文化出版局)
どれをよんでも何度読んでも大人になっても、ページをめくれば思わず吹き出して笑顔になれる、ユーモアたっぷりのお話シリーズ『がまくんとかえるくん』。
性格も行動パターンも真逆のふたりなのに、相手を思いやる気持ちだけはいつも同じ。その変わらなさが、時にあたたかく、時にせつなく読む側の心を揺さぶります。
『ふたりはいつも』には、冬の「そりすべり」の話から始まって、春、夏、秋の話、そしてまた冬の「クリスマス・イブ」の話というふうに、一年を通じてのふたりの他愛のない日々がギュッとつめこまれています。
本当に、どれを読んでも何度読んでも、ふたりのやり取りが面白くて可笑しくて、愛おしい。
ことに最後の「クリスマス・イブ」は、荒唐無稽な妄想劇の体裁でありながら、大切な人と一緒に過ごせることがどれほど尊いことか、最後にじんわりと沁みてきますよ。