ぐりとぐらのおきゃくさま
文・なかがわりえこ 絵・やまわきゆりこ (福音館書店)
もしも自分の家にサンタさんがやって来たら…?
誰もが一度は夢想する、そんな話。それも眠っている間にこっそりと…なんていうんじゃなくて、お客さまとしてやってきてカステラなんか焼いてくれる。
ぐりとぐらの世界では、カステラはいつもシアワセの象徴ですよね。うっとりするようないい匂い。みんながその匂いにつられてやってくる。そうしてみんなで分け合って、お腹いっぱいシアワセいっぱいになって終わる。おいしいものを分け合うことの、とてもシンプルな喜びが溢れている世界です。
そしてまたぐりとぐらの世界では、何もかもが善意と好意による無償のやり取り。読んでいて何とも言えぬ安心感を覚えます。
クリスマスの楽しさも、本当はこんなふうにみんなで何かを分け合うことにあるのかもしれませんね。おいしいものだけじゃなく、喜びや嬉しさやお互いの好意や善意なんかをね。