いまがたのしいもん
文・シャーロット・ゾロトウ 絵・エリック・ブレグヴァド (童話屋)
おとなになんか、なりたくない。だって今がいちばん楽しいから。
過去のことも未来のことも、何にも思いわずらったりなんかせずに、ただ目の前のことを楽しむ。幼い子は皆、人生を謳歌する達人です。窓にあたる雨粒、はだしで踏みしめる夏の日の道路、絨毯の花の模様を指でなぞってみるだけのことが、どうしてあんなに楽しかったのか。いつの頃からそれらのことがつまらなくなっていってしまったのでしょう。読み進めていくうちに、忘れていた童心がむくりと頭をもたげてきます。
つまらない大人になってしまった我々を一瞬にして、世界がキラキラ輝いていたあの頃に引き戻してくれるステキな絵本。
でも、こんな子供時代の延長線上に“今”があるのなら、大人になった今だってきっとそんなに悪くはないハズ。たのしいことの見つけ方は常に心得ていたいものですね。