今月のおすすめ絵本

かとりせんこう

 作・田島 征三 (福音館書店)

「けむりが もんもん かが ぽとん」

夏の風物詩、蚊取り線香。最近ではあまり見かけなくなりましたか?

あの煙の匂いを嗅ぐと、懐かしい昔の夏を思い出します。エアコンなんかなくて、扇風機だけで過ごせていた日々。暑すぎるせいで学校のプールが中止になるとか、想像もできなかったような時代…。

さて、この蚊取り線香、一風変わった煙を出します。

「けむりが もんもん かが ぽとん」「おはなが ぽとん」「ぼうしが ぽとん」仕舞いには、おじさんのめがねもおひげも、洗濯物までぽとんぽとん。やがてけむりはお月さまのところまで…

ナンセンスで不思議な話。クスリと笑うのもよし、それで?と読み飛ばすのもよし。ともかく難しいことを考えるのはいったん止めて、ただただあり得ない展開に身を任せてみてください。

そうして出来れば、あははと笑ってすっきりリセットしてほしい。

そんな絵本です。

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