今月のおすすめ絵本

きいのいえで
 作・種村 有希子 (講談社)
双子の姉妹の「きい」と「私」。赤い服を着た「きい」の、ぎゅっと固く口を結んだ意思の強そうな表情が印象的なこの表紙。
物語はいきなり、お母さんに叱られた「きい」が家出を決意するところから始まります。遠足のリュックにお気に入りのものをどんどんつめていく「きい」。その様子をおろおろしながら見守る「私」。「ねぇ、おかし食べていったら?」―――何とか「きい」の家出を思いとどまらせようと奮闘する「私」。どうしよう、ほんとに出ていくの?ずっと一緒だったのに…。二人のほほえましいやり取りもさることながら、「きい」と「私」それぞれの心模様が垣間見れる豊かな表情に心惹かれます。誰にでも思い当たることがありそうな、ありふれた日常のひとこま。読み終わるとほっと温かい気持ちになれますよ。
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