今月のおすすめ絵本

きらきら

 文・谷川俊太郎 写真・吉田六郎 (アリス館)

雪の結晶をご覧になったことはありますか?

基本はどれも六角形。

しかしながらその形は気温や湿度によって無限に、かつ複雑に変化し、同じものは二つとして存在しない。…それって何だか人間のようでもありますね。

いったいだれが決めたのか、不思議なその形の仕組み。

綺麗だけれど、お金で買えない。まるで神様からの贈り物―――。

谷川俊太郎さんのシンプルな詩は、雪の結晶のことを歌っているようで、実は命の輝きそのものを歌っているようにも思えます。

一方で、『しずかにつもっていると やさしいけれど なだれになると おそろしい』とは、人間社会のドロドロとした暗部を鋭く突いた一文にも思えて、ちょっぴりシニカルなものも感じたり。

そしてラストの一文。

人も、雪の結晶も、流れる時間の長さは違えど、どちらも儚い存在なんだよなぁ、とセンチメンタルな気分になります。

写真家の吉田六郎氏は、雪の結晶の完璧な撮影法を確立したと言われる人物。ため息が出るような美しい写真の数々をぜひ堪能してください。








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