今月のおすすめ絵本

きょうというひ

 作・絵 荒井 良二 (BL出版)

雪が降って世界が真っ白になった朝、女の子は今日という新しい日のために作った新しいセーターを着て、ロウソクに火をともし、ロウソクのための小さな雪の家を作ります。

雪野原一面に作られたたくさんの小さな小さな家、その中に立つ小さなロウソクの灯り。

見開きページいっぱいに飛び交うロウソクの灯りは、世界中に灯る希望の火のようでもあり、新しく生まれ落ちた小さな命の火のようでもあり、あらゆる場所で今を生きている人々の息づかいのようでもあり…。

チリチリと揺れる小さなその灯りが消えないように、消えないようにと、女の子は空に向かって祈るのです。

 

タイトルは今日という日、あるいは今日という灯、と捉えてもいいのでしょうか。それぞれが胸に宿す小さな願い、祈り、そのどれもがないがしろにされることなく、大切に、消えないように、一日一日と折り重ねていけたなら…。

扉絵にさりげなく描かれた小さな青い鳥も印象的です。

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