今月のおすすめ絵本

まっててね
 文・シャーロト・ゾロトウ  絵・エリック・ブレグヴァド(童話屋
嫁ぎ先から久しぶりに帰ってきた姉を迎える母親と小さな妹。すっかり大人の女性になった姉はまるでお客さまのよう。幼い妹はそんな姉を憧れの目で見つめます。ひるがえって、ふと自分のことを顧みると、床にパンくずを落としたり母親の便せんやアクセサリーを勝手に出して使ったり、植木鉢を蹴とばしたり、ナイショでつまみ食いをしてしまったり…。ちっとも素敵じゃありません。姉が帰っていくのを見送った後、妹はこんなふうに母親に言うのです。
「わたしも あそびにきてもいい?いまに ねえさんみたいになって」
ちゃんとは出来ない自分。でもいつかきっと、いろんなことが出来る素敵な人になって母さんに会いにくるから、待っててね、というわけです。そんな幼い娘を受け止める母親のセリフが秀逸。誰かからこんなふうに言ってもらえたら、何て素敵でしょう。急かしたり求めすぎたりせず、ただゆったりと相手の歩みを見守る。そんな関係がたくさん築けたら、世界はもっと平和になりそうです。
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