もっともっとおおきなおなべ
文・寮 美千子 絵・どい かや(フレーベル館)
秋の実りのきのこやクルミは、森の動物たちにとってはすてきなごちそう。おいしいシチューを作ろうと、あれもこれもと鍋に入れているうちに、ちいさな鍋はいっぱいに。
「これじゃ だめだ。もっと おおきな おなべが なくちゃ」
ねずみくんはりすくんに、りすくんはうさぎさんに、うさぎさんはやぎさんへとお鍋を借りにいくごとに、ひと回りずつお鍋のサイズが大きくなって、とうとう最後は…。
シチューを作るだけの話なのにどうしてこんなに惹きつけられるのでしょう?
そしてまた、みんなで一緒に食べるシチュエーションってどうしてこうも幸せな気分になるんでしょうね。
「せっかくだから みんなも よぼうよ」
この言葉の奥にある、無条件の善意のようなものが、幸せを呼ぶ秘訣なのかもしれませんね。