今月のおすすめ絵本

ねぇ、どれがいい?

 作・ジョン・バーニンガム (評論社)

はじめは、『家の周りが変わるとしたら、大水と大雪とジャングルと、どれがいい?』という素朴な質問から始まっておきながら、次第に質問の内容はエスカレート。はぁ?ありえないし、というようなシチュエーションへとどんどん引きずり込まれていくのです。

へびに巻かれるのと魚に飲まれるのとワニに食べられるのとサイにつぶされるのと、どれがいい?とか何とか(どれもイヤ)、こんな究極のナンセンスな質問に答えているうち、日々自分を悩ませている様々な悩みごとなどどうでもいいような気になってくる。実はそれこそが作者の目論んでいるところ…なのかどうかは知りませんが、とにもかくにも、こういうシチュエーションよりかは現実の方がいささかマシ…かもしれないな、ぐらいには思えてきます。何はともあれどの質問にもまずは本気で答えてみることをオススメします(笑)。

個人的に、これは究極の選択問題と思っているのが『どこでなら迷子になってもいい?』という質問。

「霧の中」「砂漠」「海の上」「森の中」「人混み」。

幼い頃子どもたちは、誰かに助けてもらえるから「人混み」がいいと答えていましたが、人混みというものも考えようによってはなかなかの恐怖ですよ。

さぁ、あなたならどれを選びますか?

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