おやすみなさいコッコさん
作・片山 健 (福音館書店)
夜。なかなか眠ろうとしない幼子に、空の月がやさしく語りかけます。
『コッコさん もう そらの くもも ねむったよ』
『いけの みずだって ねむったよ』
『とりも ねむったよ』
どんなに優しく促されても、コッコさんの返事はひとつ。
「コッコは ねむらないもん」
けれど、『ごらん、おにいちゃんも ねむったよ』『ふとんも ねむったよ』『ほーら おてても ねむったよ』と月が数えあげていくうちに、コッコさんの目も次第にとろんとし始めて...
ページをめくると、月の光を浴びてやさしく輝く夜の景色。池の魚や動物たちもほんのり月の色に染まっています。
圧巻は窓ごしに差し込む月光に照らし出されたコッコさんのお部屋。
―――何となくモーツアルトの子守歌を思い出しませんか。
ねむれ よい子よ
庭や牧場に 鳥も羊も みんな眠れば
月は窓から 銀の光を そそぐこの夜
ねむれ よい子よ
自粛疲れや秋バテや、積もり積もった日々のストレス…何だか神経がささくれ立って布団に入ってもなかなか寝つけないような、そんな長い夜におすすめの一冊です。