ペッテルとロッタのクリスマス
作・エルサ・ベスコフ (福音館書店)
ペッテルとロッタは、クリスマスの夜、プレゼントを持って現れたヤギおじさんの正体が知りたくてたまりません。
あれは魔法をかけられた王子様で、普段はリンネソウの咲く森の奥に住んでいるのだと教えられた二人は、何としても王子様を探しに行こうと決心します。なぜなら二人にはどうしても次のクリスマスにお願いしたいことがあったから。それは…。
スウェーデンをはじめとした北欧のクリスマスでは“ユーレボック”と呼ばれる麦わら細工のヤギが飾られるそうです。
そしてこのヤギがクリスマスの贈り物を運んでくると言い伝えられているらしく、なるほど絵本の中でもヤギの仮面は麦わらで作られているのが見て取れます。そういえばクッキーのかたちもヤギでした。
翌年のクリスマス前、ペッテルとロッタは森の中でヤギおじさんとおぼしき人を見つけ、あるお願いをします。
二人の心優しい願いごともさることながら、そんな二人を取り巻く大人たちの奮闘ぶりもぜひお楽しみください。