ルピナスさん
作・バーバラ・クーニー(ほるぷ出版)
ルピナスは思いのほか茎が太くて逞しさすら感じる花。花言葉は「貪欲」「想像力」「いつも幸せ」。
物語の主人公ルピナスさんも、その名のとおり夢と信念と想像力を持って、貪欲に生きた女性でした。
晩年を迎えた彼女が、これまでの人生の中でただ一つ成し得ていないと心残りに思うことは、祖父と約束した「世の中をもっと美しくする」ということ。
その約束を果たすために彼女がしたこととはいったい何でしょう?
時に無駄だと人から揶揄されるようなことでも、信念を持って積み重ねられたものはいつかきっと芽を出し、花ひらく。それは、長い冬を地中で耐え、着々とエネルギーを溜め込んできた花の種子もきっと同じで…。
そんな、見えないものの力を信じてみたくなります。
春になると、手に取りたくなる絵本です。