サンタクロースとぎんのくま
作・マレーク・ベロニカ (福音館書店)
クリスマスの夜、マルチがサンタクロースからもらったのは銀のくまのぬいぐるみでした。ところが妹のモニカと取り合いになり、ケンカになってしまいます。
モニカのために、同じくまを手に入れようと町のおもちゃ屋を訪ねるマルチ。しかし銀のくまを売っている店はどこにもありません。
考えた末、マルチは森の奥のサンタクロースの家を訪ねてみることにするのですが…。
鮮やかな色使いに、ページをめくるだけでも気持ちが浮き立ちます。とくにサンタクロースが住んでいるという雪だるまの町の、なんてカラフルで楽しそうなこと。
銀のくまがお店で売られていなかった理由もわかります。マルチはどうやってもうひとつ同じくまを手に入れるのでしょう…?
それにしても、プレゼントを配り終えた後でも、こんなふうに子どもの願いに向き合ってくれるサンタさんがいるなんて素敵ですね。
心や記憶に"在る”との意味合いも持つ"プレゼント”。渡す相手を思いやる心こそが、最高のプレゼントなのかもしれません。