しあわせなときの地図
文・フラン・ヌニョ 絵・スザンナ・セレイ (ほるぷ出版)
戦争のため、生まれ育った故郷を出て他の土地へ逃げることになった女の子ソエ。
家族と一緒に街を出る前の晩、ソエは街の地図を広げて、幼い頃からの思い出の場所にしるしをつけてみます。おばあちゃんの家、図書館や映画館、川の上の橋…、楽しいことがあった場所を一つ一つ思い出しながら。
全部の場所にしるしをつけ終わった後、ソエは何気なくそのしるしを赤い線でつなげてみます。すると思いがけない形が地図の上にあらわれて…。
街のあちこちに散らばっているソエのしあわせな場所。思い出を辿った地図を大切にしまうソエの姿は、あたりまえのしあわせを理不尽に奪う戦争の罪深さを教えてくれます。