今月のおすすめ絵本

ちいさなもみのき

 文・マーガレット・ワイズ・ブラウン 絵・バーバラ・クーニー (福音館書店)

森のはずれにポツンと立つ小さなもみの木。

もみの木は、広い原っぱに一人ぼっちでいることをいつも寂しく思っていました。

ある冬のこと、思いがけず人間の家に連れて行かれたもみの木は、病気のためベッドから出ることの出来ない少年と一緒に、ささやかながらとても素敵なクリスマスを迎えます。

それから毎年冬になると、少年の家に連れて行かれてクリスマスを祝うもみの木。

ところがある年の冬、いつまで待っても少年の家から迎えが来ません。もうすぐクリスマスがやってくるというのに…。

 

北国の素朴なクリスマスのお祝いの様子とともに、少年ともみの木の心の交流が静かに描かれます。互いに一人ぼっちでいることの寂しさを知っているからこそ、通じ合う何かを感じ取ったのでしょう。

いつも寂しい思いをしていたもみの木が、クリスマスの飾り付けをされて誇らしげに立つ様子が微笑ましい。絵本全体を包む明るく優しい色合いも、少年を見守る周囲の眼差しと相まって、読む側の心を暖かくしてくれます。








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