おーい、こちら灯台
作・ソフィー・ブラッコール （評論社）
世界のさいはての島に、永遠に続くようにと願って建てられたひとつの灯台。そこで暮らす灯台守の家族のお話です。
灯台の中はいったいどんなふうになっているのか興味がわきませんか？灯台の断面図や、らせん階段でつながる円形の部屋の様子などは眺めるだけでワクワクします。そしてその中で営まれる灯台守の仕事の様子…。今では想像もつきませんが、遠い昔は灯台守はこんなふうに灯台の中で暮らし、海を行く船の安全のために人力で灯台を動かしていたのです。遠くまで、絶えることなく光を送り続けるために。
淡々と、しかし情感たっぷりに描かれる灯台守とその家族の生活は、やがて思いがけないラストを迎えます。物語もさることながら、ソフィー・ブラッコールの美しい絵に圧倒される一冊です。
