今月のおすすめ絵本

わすれていいから

 作・大森裕子 (KADOKAWA)

同じ家で同じ時を過ごしてきた猫と少年。

彼らが刻んできた年月が、猫の目を通してゆったりと語られます。

節目ごとに印象的に描かれるのが、表紙にもある大きな出窓。

気持ちのいい風を感じさせるこの出窓が、次第に大人へと変わっていく少年と、少しずつ老いていく猫の姿をとても象徴的に描き出します。

風はゆっくりと吹き抜ける―――でも彼らの関係は微塵も変わらない。けれど巣立ちの日は徐々に近づいていて…。

春。

巣立つ誰かを見送るすべての人の心に、そっと寄り添う絵本です。

Homeへ         収録絵本一覧へ

inserted by FC2 system