よるのさんぽ
作・たむらしげる(架空社)
ベッドに入ったはいいけれど、なかなか寝付けなくて悶々とした経験はきっと誰しもあるでしょう。真夏の蒸し暑い夜など特に。
そんな夜は思い切ってベッドを抜け出し、「ちょっと散歩に」と出かけてみるのも乙なもの。でもそれが難しいなら、散歩気分を味わえる絵本を読むのはいかがでしょう。
眠れぬ夜を持て余し、ふらりと散歩に出た少年のなんとも不思議な道中は、きっとホンモノの散歩よりも数倍面白くて引き込まれること請け合いです。
のびやかでおおらかなタッチの絵は眺めるだけでも楽しくて、不快な寝苦しさはどこへやら。少年が遭遇する事件もどことなくユーモラス。
散歩を終えた少年のささやかな充足感を一緒になって味わううちに、知らず我々も夢の世界の住人となっているかもしれませんよ?