ゆきのひのおくりもの
文・ポール・フランソワ 絵・ゲルダ・ミューラー(すずき出版)
雪の降る寒い日、おなかをすかせたこうさぎが雪原で見つけた2本のにんじん。1本は自分用に、残りの1本はおなかを空かせているかもしれないお友達のこうまのために届けに行きます。こうまもまた、おなかを空かせているかもしれないひつじを思って雪の中を届けに行き、ひつじもまた…。
こうさぎ、こうま、ひつじにこじか。登場する動物たちのやさしい眼が印象的なこの絵本。お互いを思いやる心がぐるりとまわって返ってくる…お決まりのパターンではあるのですが。
「こうさむくって、ゆきもふってちゃ、きっとたべものがなくてこまっているよ」
繰り返されるやさしい言葉が動物たちのやさしい表情と相まって、ほっこりとあたたかい気持ちになります。思いやりって、ごくごくシンプルな想像力のことなんだよなぁと気づかせてくれるお話。