リスとはじめての雪
作・セバスティアン・メッシェンモーザー (コンセル)
「ふゆっていうのはね、とヤギがいいました。とってもきれいなんだ。雪がふってきて、なにもかもまっ白になるんだ!」
冬の間ずっと眠っているリスとハリネズミとクマは、まだ冬を見たことがありません。もちろん雪も。
今年は「はじめての雪」をみるために、眠らずに起きていようと奮闘する三匹。そして始まる「はじめての雪」探し。
何しろ見たことのない雪を探すのですから大変です。
「白くて、しめっぽくて、つめたくて、やわらかいもの」―――雪のことをそんなふうに教えてくれたヤギの言葉を頼りに、三匹三様の雪探しが始まるのですが、これがもう抱腹絶倒の可笑しさなのです。
メッシェンモーザー独特のユーモア炸裂といったところでしょうか。(ちなみにメッシェンモーザーは『リスとお月さま』の作者です)
そして後半はひたすら絵の美しさに息を飲む展開に…。
何気に表紙裏の絵が『リスとお月さま』のオープニングの舞台とつながっていて、そこもひそかにクスリと笑える仕組みになっています。
寒さで気持ちが縮こまりがちな日には、こんな絵本でぱぁっと心を解放してみるのもいいかもしれませんね。